夏休み中のせいか、今回の学生ことば磨き塾(8月29日)も、
参加は2人。アドバイザーの大人の方が3人と多かった。
さて、どうしたものか・・・と思案していたら、
幹事役の小室ひなさんが、今回もナイスアイデアを出してくれた。
漢字一文字で今年上半期を振り返ろうと。
ボクが、それなら個人と社会、別々に一文字で考えようと提案。
まずは、小室ひなさん。
個人が「背」。
甥っ子が1年生になりランドセルを背負っている。
学生団体の幹事になり責任を背中に感じている。
姿勢がよくないから、背骨が曲がっているようだ。
「背」から3つのエピソードを語ってくれた。
大人たちは、3人とも「背」から「背く」ということばを連想した。
ひなさんが、後で「背」という漢字について調べてくれた。
それによると、
北という字が2人が背中を合わせている様子を表す。
北は、太陽に背を向けていることから「きた」という読み方となった。
それに伴い、そこに「肉」をつけて
「せ」「せなか」「そむく」を意味するようになったそうだ。
社会は「何」。
いま、社会が動いている。
「それって何?」と思うことが多い。
「何」はにんべんに可能の可と書く。
人が可能にしていくきっかけとも読める。
続いては、久しぶりの嶋岡菜摘さん。
個人は、大きく「強」と書いた。
失恋し、精神的に落ち込んだ時期もあったが、
いまは、そのおかげで強くなれた。
小学校から続けている卓球の試合が来月ある。
強くなったところを見せたい。
嶋岡さん、プレゼンもはきはきして堂々としてきた。
精神的に強くなったと思う。
社会は、ななめに揺らぐような書き方で「言」。
小学生に「飛び降りてみろ」という先生がいたり、
「震災が東北でよかった」という大臣がいたり、
暴言失言が多い。とげとげしいことばが多い。
久々にアドバイザーで来てくれた大石浩晶さん。
個人は「楽」。
54歳になって、人生の楽しみ方を変えた。
大勢の仲間とフィーバーしていたが、
範囲を狭めて、本当に気の合った仲間とだけで付き合うことにした。
その場限りでなく、先に楽しみを作る生き方をしたい。
社会は「疑」。
おかしなこと、疑問に思うことが多すぎる。
ムラカミ塾長は、
個人が「熊」。
熊に出会ったわけではない。
熊本城の復興城主になった。
全国から多くの城主が誕生している。
社会は「和」。
和服を誂えたが、日本人の培ってきた「和」の精神をを大切にしたい。
ナンチャラファーストと息巻く昨今、
いまこそ世界平和のために「和」が必要とされる。
人の気持ちを汲み取って調和を図る日本人の本質を発揮したらいい。
「わっしょい」という掛け声は「和を背負う」から来ているらしい。
「和」という漢字は、立体的に見えるという意見も出た。
アドバイザーの中川千都子さん。
個人は「羽」。
羽曳野に自宅を改造してカルチャーハウスを開いた。
認知症の母を想い詠んだ川柳。
「迷子札 外して母は 鳥になる」
母も羽があったら、自由になれるのにな。
社会は「変」。
世の中、変なことだらけ。
でも変を乗り越えたら、よいことに変化していくとも考えられる。
漢字一文字から、
近況を知ることが出来、
性格もわかり、
変化も窺えた。
一文字に収斂することで、かえって広がりも出る。